個人的に、お店とかメーカーとかのWEBサイトをライティングするっていうのはなかなかのハードワークだと考えています。仮にコレがある商品のランディングページだとすれば、何らかの目的をもって訪れた方々に向けて、彼らの悩みを解決するように書くのが基本形ですから、「誰に何を約束するのか」を根拠とともに書き出すことができれば、文章を書く事自体に悩むということはありません。
しかしWEBサイトというのは単純にそういうわけでもない。1枚もののランディングページ、セールスレターのように書ければいいのですが、トップページから入ってくるかどうかもわかりませんし、どのページから入ってどのページに行くのかも最初は特にわかりません。
本来、動線を考えたうえでライティングをすればいいのでしょうが、商品やサービス自体を見切り発車で書いていく必要がある以上、その動線が変化する可能性もある。
こんなことを考えていると、コンテンツそのものを考え、書きだす必要性も生じてくるので、各ページ数はますます増えていき、当初の予定よりもライティングに時間を要している、という結果になるわけです。
膨らまそうと思えばどこまでも膨らますことができるので、不要な言葉も気をつけないと増えていく。
ジョン・カールトンがいうところの、形容詞はくしゃみみたいなもの、じゃないですが、不要な言葉を並べ立てたところで「結局こういうことでしょ」と読者の脳がまとめに入ってしまうとよろしくない。くしゃみどころかあくびをさせてしまいます。WEBサイトであっても、ミニスカート理論は健在なのです。
大事なところが隠れる程度に、長く。大事なところが隠れるのであれば、短ければ短いほどいい。
混乱し始めているなぁ、と感じたとき、深呼吸して思い出すのは「1メッセージ1アウトカム」。コレはぽっちりライフプロジェクトでプロモーションを実施している時、島田さんがアドバイスしてくれたことのひとつで、1つのメッセージに1つの出口が基本であり、2つも3つも用意すると読者さんが混乱しますよね、というもの(と解釈しています)。
WEBサイトであってもコレは同様で、WEBサイト全体を1つのメッセージとすると、この出口も1アウトカム。例えば、問い合わせフォームからの予約を出口にするとかですね。
マクロからミクロに見ていくと、1つ1つのページも1メッセージ1アウトカムを心がければいいことに気付きます。
セールスレターのような、コール・トゥ・アクションを設けられるならば、オーダージャケパンのサービス案内ページからはジャケパンを販売するランディングページへの1アウトカムがそれになりますし、コール・トゥ・アクションを設けられなくても、他のページヘのリンクボタンを押してもらうとか、そういうものが1アウトカムになります。
シンプルイズベストとはよく言ったものですが、ページ数が増えれば増えるほど、商品やサービスの数が増えれば増えるほど、書き手が複雑なものと捉えてしまいがち。
そうではなくてそれらを鳥瞰すると、1つ1つのシンプルなメッセージが集まり、それがまた1つのメッセージをつくりあげていることに気づきます。
基本中の基本かもしれませんが、それゆえに極めるには奥が深い。匠の技というか、そんな感じです。
おかげさまで、エルメネジルド・ゼニアとかロロ・ピアーナとか、脳に入ってきました。
こういう見聞を広め、深めることができるのも、ライティングをする利点なんだよな、と思います。
コメント