キッカケは友人の結婚式でした。
そこで余興を頼まれ、依頼されたのは、僕たちのことをゲストに伝えて欲しい、というものでした。
しかも、ありふれたプロフィール紹介ではなく、皆が感激するものを、という結構な難易度です。
新郎側のゲストは新婦側を知らないし、新婦側のゲストは新郎側を知らないものですから、プロフィールスライドがそれぞれの生い立ち紹介であることは理にかなっているのだと思います。
しかしその友人も僕も、割と結婚式には参加する方でしたから、プロフィールスライドがどれだけ見られていないかも知っていました。
少しだけ見たら、ビールを持ったあいさつが始まり、雑談の喧騒でプロフィールスライドがの音楽も聞こえなくなることもありました。
ご父兄や当事者だけが涙して微笑むプロフィールスライドは、とても残念に感じていました。
まさか自分が依頼される側になるとは思いませんでしたが。
バックパックをもって初めて世界に出たのも、その友人であり会社の先輩のおかげでしたし、笑顔の中に悲しみが疾走するような、そんな人だったんですよね。
そして二人に結婚に至る話を聞いても、その新郎の悲しみが疾走する感が感じられる、ドラマ性というかストーカー性というか、ありえないからこその共感度が高いものでした。
僕は新婦にあったことはあれど、新郎を知るほどには知りません。
そこで、新郎の目を通して2人を語り、2人を知り、泣いてもらう、という方向性で作成をはじめました。
悲しみが疾走したら笑顔も溢れる。
気持ちを伝えたら結婚式が輝く。
そんなコンセプトだったと思います。
新郎の笑顔を見て悲しみが感じられるのは僕だけではなく、周囲の方々に確認済みでした。
結果はというとゲスト80名がスクリーンに注目し、冒頭は少しだけビール注ぎや雑談があったものの、やがて会場は静まり返り、新婦側ゲストの一部はスクリーン前まで移動して膝を抱えながら見つめるほど。
2人を知らない人まで泣いてくれる、そんな場がそこにはありました。
このスライドがキッカケで、事業部が立ち上がり、400組を超える方々のスライドをつくることになります。
ゼクシィのクリエイティブ担当が考えてくれたコピーは、「2人を知らない人まで泣いてくれる」というもので、競合とは一線を画すものだったように覚えています。
一般的なプロフィールスライドと比べて単価は10倍近かったですが、コンセプトメイキングを行う作業行程を考えると、納得感はあったのだろうと推測しています。
ありふれた話だから誰も私たちの話に興味はないと思いますよ、と恐る恐る聞いてくる新郎新婦もいましたが、そんなことはないと暗に教えてくれるのが、400組のスライド、DVDでした。
違いを生み出すということがビジネスの上では選ばれるに必要なわけですが、安価や広告量でアピールするにはしんどい側面が多々あります。
望まないお客さんも引き寄せますし、資金力のある会社が勝ちますからね。
現在の、PPC広告やFacebook広告を眺めると、まさにコンセプトの必要性を感じます。
同じことを価格を安くしていっているだけのように見えるので、これなら数で圧倒できる方が勝ちますから。
理念とか世界観とかコンセプトが大切なんじゃないか。
そんなふうに感じている人になら、ビート・ザ・コントロール株式会社は役立つんじゃないかなと思います。
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