長男と妻は学校行事へ行き、次男と僕は家で留守番。お昼前に帰ってきてその後は映画に行く予定だったのですが、たぶん外は暑いせいか妻がちょっと眠りたいと言うので、夕方からの映画になりました。
先ほど、イスタンブールのエジプシャンバザールで買ってきたピスタチオ入りのチョコレートを長男にあげたところ、美味しいと。そんなに甘みはないのに美味しいというとは、となんでかうれしくなり、長男のもとに駆け寄って「半分日本人の血が流れているからかなー」と自分でもよくわからないことをタイ語で喋ってしまいました。
しかし最近は、妻よりも長男次男とのほうがわかりあえている感があります。たぶん妻も同じことを言うでしょうが。ちなみに先ほど妻からは、「あなたと私は正反対だからいいのよね」とか言われました。やれやれ。
さて、ウェビナーを24日と25日に開催しました。
イスタンブールからの中継同様、バンコクからの中継でも気になっていたのは回線速度。参加した方にうかがうと、映像も音声も概ね良好だったようでした。
全般の内容については割愛しますが、レジを鳴らすセールスライティングスキルの学び方、というパートでまず紹介したのは、24日はダイレクト出版さんから依頼されたセールスレターの成果、25日はアプレンティスでビート・ザ・コントロールしたセールスレターの成果でした。
流れとして、「ではなぜ成果を出すことができたのか」という話になりますから、両方のセールスレターで僕が行ったペルソナ設定やスワイプファイルの選び方も紹介。
そして両日ともに「ジーン・シュワルツの5つの気づきレベル」の話をしました。しかしふと思うのは、ジーン・シュワルツの5つの気づきレベルって、寺本さんとかの話を聞いていないとご存じではないかもしれないなぁ、ということ。
カンタンに書いてしまうと、読み手はどの程度自分自身の悩みや不安、欲求に気づいているか、には5つのレベルがあるとする話でして、
*Most aware: 悩みや不安に気づいていて、すでに解決する商品やサービスの購入を決めている
*Product aware: 悩みや不安に気づいていて、それを解決するサービスや商品を探している
*Solution aware: 悩みや不安に気づいていて、それを解決する解決策を探している
*Problem aware: 悩みや不安に気づいているが、解決策の存在に気づいていない
*Unaware:悩みや不安に気づいていない
こんな風に分類されています。これはマイケル・マスターソンが書いた『Great Leads』で紹介されている、「Gene Schwartz’s Groundbreaking “Five Levels of Customer Awareness” 」から僕が意訳したものですので、参考までに。冒頭の画像は『セールスライティングスタートアップガイド』第2章から抜粋。
いわゆるペルソナを決めるとき、ライトなリサーチだとデモクラフィック・データ、年齢や居住地や年収や家族構成といった情報から、また突っ込んだリサーチだと悩みや欲求にまで入りこむわけですが、このジーン・シュワルツの5つの気づきレベルが参考になるのは、それぞれに相応しいスワイプファイルがあること、精確にはリードのタイプがあること、を教えてくれるからです。
リードとは、ヘッドラインとオープニングを指します。2つ合わせて、リード(Lead)。
例えばですが、リピーターさんを対象にした新商品のセールスレターを書くとします。読む人はいつもあなたの商品やサービスを買ってくれる人です。
この人たちは、5つの気づきレベルで言うと「Most aware」なのですが、どんなヘッドラインとオープニングだとレジを鳴らせる確率は高いと思います??
『ワンピース』好きな人に最新刊を案内するならどうします??寝ても覚めてもヤコブ・コーエンの最新デニムを案内するなら??ジョン・カールトンの大ファンに対面セッションの新サービスを紹介するなら??
「ワンピースの最新刊が出たんだけど、買うよね?◯◯円、いつもどおりだよ」
「ヤコブ・コーエンのデニムが出てさ、赤いステッチがちょっといい感じなんだけど、どう?10万円でいけるよ」
「ジョン・カールトンの対面セッションがついに出たよ。場所はあのリノで100万円。どう?」
僕なら買うね、という感じで書きましたが(ごめんなさい、ワンピースは買っていません・・・妹が買っているんです)、すでにリピーターになっているのですから、前置は不要です。信頼関係が出ているのに、
「あなたはマンガの買い方でこんな間違いしていませんか?」
とか言われても、それよりオレはワンピースが喉から手が出るほどほしーんだよ、となる。そしてそう思われてしまうと、離脱される可能性を増やすことになります、つまり、レジが鳴らない。
『Great Leads』では、Most aware層には「Offer lead」がいい、と書かれています。オファーリード、ヘッドラインとオープニングでオファーを伝えてしまう、ということですね。
こんな感じで、気づきレベルを分類することで、リードを決めることができる。いくら「ストーリーは読まれますよ」と学んでも、闇雲にストーリーを使わなくなる。
セオリーになる、ということです。
ちょっと長くなったのですが、このあたり聞きたい人はいるかもしれないと思いまして、11月29日20時からのウェビナーでは特別編として、ジーン・シュワルツの5つの気づきレベルと6つのリードタイプを使って僕がどうセールスレターを書いてきたのか、という話をしたいと思います。
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コメント
毎度どうもです。
素人考えで申し訳ないのですが、逆転の発想で、売り手側からすると、逆に自分オリジナルの「不安や悩み」を顧客側に作り出す(と同時に解決策とサービスと商品を同時に提示する)、ことができれば、後追いの方々にキャッチアップされるまでフロントランナーとしていっとき市場を独占できそうですね。適切な例かどうかわかりませんが、例えば、スマートフォンのパスワード認証のめんどくささはスマートフォンがこれほど流行らないと出てこない悩みでしたけどiPhoneの顔認証は便利そうですものね。
いつか何かのご参考までに。
コメントを拝見し、
マルクスの『資本論』の勉強でそんな話を解説されたことを思い出しました。
悩みをつくりだす、ということではなくて、市場は細分化され、単純労働になるとうんぬんだったかな。
それはさておき、顧客側の気づかない悩みや不安に気づかせる、
というのはセールスライティングの役割だったりします。
商品自体をつくって悩みをつくりだす、というのはなるほどと思いました(解釈違いでなければ)。
毎度どうもです2。
> …セールスライティングの役割だったりします。
なるほど。そう考えると、小野くんがいろいろなところに行っていろいろな体験をしていろいろな人に出会って、、、というのは人が悩みとも不安とも思っていないようなことを本人よりも誰より先に見つけ出す観察眼を養っている、というようにも見えますね。
第三者から見た小野くん像としての感想です。小野くん自体がすでに気づいているかもしれませんが、自分自身についての気づきレベルが上がってくれれば幸いです。
いつか何かのご参考までに。
ありがとうございます!
返信遅れて恐縮です。
自分自身についての気づきレベルというのは課題だなぁ、
と感じておりますので、感謝です。
本人よりも誰よりも先に見つけ出す観察眼。
ありがとうございます。
毎度どうも3。立て続けにすいません。
3連無料ウェビナーお疲れ様でした。
現状維持バイアスを外すヒントとして、ジョブズさんの言葉を引用されていましたが、(映像をみて文脈を理解するとわかりますが)実はその背後に彼の「生死」の体験を通して得た彼の人生に対する覚悟があることがわかります。そしてそれが「気づき」のツールになった、と彼は言っています。たぶんですが彼が言いたいことの大事なことはたぶんあのセリフの後で、英語では
Remembering that all will be dead soon is the most important tool I have encountered to help me make the big choices in life.
と言われてます。あのセリフだけ抜き出すとジョブズさんの言葉は「ああ確かにそうだな」と思う人は多いかもしれませんが、実際に自分に問いかけるときに「本当に今日が人生の最後かもしれない」と真剣に思うことは実はとても難しく、それは実際に「生きるか死ぬか」という体験がないからかもしれませんが(実は二十歳の頃に若葉台で腎臓破裂で死にかけた交通事故をしてるんですが)「そうは言っても結局明日も同じように生活するのだろうな」(という現状維持バイアスがあるからか?)とか「いやいや自分のやりたいことじゃないけど来週の予定を考えたら今これやらなきゃ…」などと心のどこかで思う自分が必ずいるのではないでしょうか。実際に死ぬかもしれない、という体験を意図的にしろ、ということではなくて、むしろ、おそらくですが「今ここにいる今日のこの自分は、(明日からの)自分の人生に対する覚悟(と勇気)がどれくらいあるのか」ということを聞いている質問だと私は感じました(私見です)。
いつか何かのご参考までに。長文失礼しました。
こちらもありがとうございます!
僕自身、あの映像を観たのはエラい圧迫されていたときでして、
そういう経験があったという色眼鏡で解釈しているのだと思います。
補足(?)、ありがとうございます!
小野さん
砂川です。
ジーンシュワルツの記事を読ませて頂きました。
この5つの段階は僕も注目していて、
あらためてジーンの凄さを感じている
のですが、どうしても抽象的なので、
ちょっと理解するまでに時間がかかっていました。
しかし、これを頭に入れて、理解度を上げるために、
健康食品のチラシとかを見てこれに当てはめて分析していると、
「そっか~、だからヘッドラインでいきなり
商品名+低価格を押し出すのか~」
ってなりました。
ちなみに、分析した広告は、
「青汁」なのですが、もうこの商品は
みんなの頭の中にあるし、
「青汁=健康」っていうベネフィットも定着しているし、
「健康になりたい」という欲求もあるし、
業界は熾烈な競争が起こっていて、
チラシやCMもバンバン流れています。
もう、見込み客に認知されているわけです。
となると、「健康食品でこんな間違いしてませんか?」
というよりも、「青汁が今だけ500円ポッキリでしかも限定20名様」とかの方が良いんだな~と思いました。
ただ、これは健康になりたいと思っている人とか、
青汁を飲んでいる人といった人しか響かないのかなと
も思いました。
もし、健康志向ではないけれど、
「なんだか最近体がだるいんだよな~」って
いう人や「だるさの原因を分かっていない人」に、
「青汁が今だけ500円ポッキリでしかも限定20名様」
って言われても、見向きもされないでしょうね。
それよりも、
「最近、体が不調な人へ」みたいに
始まり、なぜ、体が不調になるのかの原因を
列挙し、その原因を除去するには「○○」という
成分をとらないといけないと伝え、その成分を取るのに、
「青汁」はとっても効率が良い、、、的な話をする
方が、良いのかなと思いました。
ターゲットを「認識が高い人」にするのか、
「認識が低い人」にするのかで、切り口やメッセージも
変わってくるという感じがするのです。
そんな感じで解釈しているのですが、小野さんはどう思われますか?
砂川さん、お久しぶりです。
コメントありがとうございます。
はい、僕は読み手の認識が高いか低いかで
切り口やメッセージを変えるようにしています。
AKB48のファンにAKB48のCDを売るのと、
X-JapanのファンにAKB48のCDを売るのとは
越えるべきハードル、踏むべきステップは
違うんじゃないかな、と考えています。
*ファンに売るのか?
*商品を決めかねている見込み客に売るのか?
*解決策を決めかねている見込み客に売るのか?
*解決策を知らない見込み客に売るのか?
*そもそも悩みに気づいていない見込み客に売るのか?
認識の段階により、
ビクンと反応する切り口やメッセージは異なると考えていますので、
青汁の例で書いてくださったように
「最近、体が不調な人へ」ではじまる例でもいいと思います。
あるいは、
「コレを読むか、それとも死か」のように始めて、
放っておくとよろしくないことを伝え、
どう解決するかを伝えるのもいいと思いますし、
「ダルさで三歩歩くことも億劫だった200キロの男が
死の淵からよみがえってできる男になった秘密」
うーん、コレは実例ありきですが、
物語を使ってもいいのかな、と思います。
小野さん
返答ありがとうございます。
小野さんのコメントを見て、
さらに理解が深まりました。
ありがとうございます。
砂川さん、こちらこそ質問くださり、ありがとうございました。
おかげさまで、整理できました。
また、お願いします。