友人に読んでみるといいよと言われた『アルジャーノンに花束を』。
読んでみるといいと言われたキッカケは失念しつつも購入しておきまして、昨日か一昨日から読んでいます。
そして今日、機上で読み進めていたら、ちょっと感激しました。
内容そのものは、3割も読んでいない程度なのでまだまだこれから、というところなのでしょうが、感激したのは文章の見た目の変遷。
正直、ひらがなが多くて漢字が間違っていて、句読点がない冒頭は読みづらく、思わずページをパラパラとめくって先を確認してみて、これがずっと続くとシンドイな、と思ったほど。読むのやめようかな、とも。
数ページめくってもひらがなばかりで漢字がそれほどなくて、送り仮名は間違えていて句読点がないその小説に観念し、いつもよりも読むスピードが遅くなりつつも読み進めてみることに。
すると、文章を書く上での学びがありました。
内容には触れないように書こうと思いますが、主人公の変化に合わせて文章の見た目が変わってきます。
漢字の間違えがなくなってきたと思ったら、漢字そのものの量が増えてきたり、句読点が増えてきて、きちんと打てるようになっていたり。
送り仮名の間違いはいつのまにか直っており、例えば「わ」が「は」に変わったわけですが、そういえばいつからか違和感なく読み進めていたな、と思い出す程度に自然な変遷でした。
徐々に文章がうまくなっていく様子を描写しているので、意識しないとその変化を見逃してしまうほど。
現在、これは辞書を引かないと意味がわからない、という漢字も登場するようになりまして、このブログを書いています。
英語版がどうなっているのか気になりますが、この翻訳者に感服です。
昨日のミーティングで、デザインの話が少し出たのですが、コピーを書く際に明朝なのかゴシックなのか、というフォントの選択や漢字が多いのかひらがなが多いのか、という印象に影響を与える選択も僕は、デザインだと考えています。
セールスコピーを書く以上、読みやすくわかりやすいことが基本的に優先されるので、わざわざひらがなだけで書くことはないかもしれませんが、
読み手が読み進めるスピードや抱く印象を、文章の見た目から変化させることができる。
そんなことを、『アルジャーノンに花束を』から感じました。まだ3割程度なんですけどね、読んだページ数は。
確か中学生の頃だと思いますが、この本が周囲で騒がれていた記憶があります。たぶん、氷室京介さんの影響だと思いますが。
その割に、内容については誰からも聞いたことがなくて、振り返ると妙な現象だったな、と思います。
もしかしたら僕と同じように、出足の読みづらさにサジを投げてしまい、そのまま放置、、、だったのかもしれません。
内容はとりあえずさておき、文章の見た目(レイアウトとかフォントとかではない)でどれだけ読みやすくなるかを確認するのであれば、この本を読むと学びがあると思います。
助詞や句読点が読みさすさに貢献していることにも、もしかしたら気づかもしれません。
内容については、また機会があれば。今日は見た目に感激した話でした。
コメント
懐かしい本ですね。
「5番目のサリー」を読み、これも面白いかと思って読み始めました。しかし、挫折したのは私です。
「24人のビリー・ミリガン」は、人数が多すぎないかと思ったので、読んでいません。
ぜひ、本全体を一枚の絵のように、眺めてみてくださいー
20年以上前に読みました(笑)
僕は30年経って読みましたよ 笑。
文字の展開、見た目も惹きつけられましたが、
人間の一生を見ているようで、
あれは特殊なケースではなくて、
誰にでも当てはまるストーリーだと感じたのは
個人的に面白い気付きでした。