非日常から日常へ

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今日帰国する、という現実を感じられぬまま、
みみさんの家で物思いに耽る。

6時。みみさんが眠い目をこすりながら、
見送ってくれる。
そして、握手を交わした時に一言。

「楽しみにしてるよ。」

ドン・ムアン空港のチャイナ・エアラインゲートから、
飛行機に乗り込む。

5月にタイに来たときよりも増えた荷物。
遠ざかるクルングテープの喧騒。

バッグには、みみさんから借りた鍵は、もうない。

飛び立つ飛行機。行き先は「Tokyo」。
次第に沸き起こる高揚感。この2ヶ月、
いつも体内にあった感覚。

着陸した空港の、見慣れた風景。
日本語を話す人々。
その言葉は、一層心を高まらせる。

「ただいま!」
「お疲れ様でした。」
入国審査官と交わした言葉。

新たな旅が始まる予感。
いつも感じていた心地よい緊張感と、
期待感。
日本に到着後の私の中で、胎動する。

成田エクスプレスで東京駅へ。
8番線始発の東海道線を待つ。
くたびれた人々。足元を見つめて、並ぶ人。
彼らから感じる、「冷たさ」。

「日本に帰ってきたなぁ。」

あっちゃんの結婚式打ち合わせのため、
川崎へ。重い荷物を引きずりながら。

80日振りの友人。変わらぬ雰囲気。
日本の居酒屋。その心地よさ。

非日常から日常へ。

だけど、私の中に「非日常」は確かに存在している。

旅の過程で一層好きになった日本に
只今、帰って来ました。

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