今日は後藤さんの質問が普段と異なり、コレは深い質問だなというふうに感じたので、ちょっと書いておこうと思います。
「いつから言葉を意識するようになったのですか」
というような質問だったと思いますが、僕が過去に書いたセールスレターのTransition、価格のプレゼンテーションとか保証とかを記し、行動を促すパートですね、ここで「掌握する」という表現と、「手中に収める」という表現を使い、なぜ同じ表現でも通じる箇所なのに使い分けたのかを説明していたときのことです。
このセールスレターのペルソナからすると、ビッグアイデアは「挑発」を使っているから、強めの印象をもたらす言葉を選んで使っていました。極力、同じ表現は使わず、類語辞典などで調べて別の表現に変える。あえて同じ言葉を並べてリズムを出す時もありますが、基本的には違う表現に変えることで僕は動きを出す。繰り返しは単調さを生み、セールスレターから離脱する理由になりかねないと考えているからです。
ジョン・カールトンに倣い、類語辞典を購入して違う表現を調べるようになったのは、極力適切な表現を届けたいからという側面もあります。聞き手に対し、僕の伝えたいことを100%そのまま伝える。そのためには聞き手の頭のなかにある言葉を知り、その言葉を使う必要がある。コミュニケーションが成立しないときというのは、伝えたいこと、伝えるべきことがそのまま適切に表現できていないから、でもあると思うので。
いつから、と聞かれたので、少し考えたあと、そういえばと思いだしたことは広告営業をやっていた時の先輩の存在。
選挙で結果を出すために、広告を学びたいと思って入った会社で待ち構えていたのは、来る日も来る日も企画書を書いて提出しなさいという一つ上の先輩でした。
提出する度にため息のようなものをついて、「今のオマエには頑張れとしかいえないな」と企画書を僕に返し、また翌日も同じことを繰り返す。出しては返され、出しては返される。
何本も返された時、そもそも僕は表現する言葉を持っていないんじゃないかと気づき、先輩に教えてもらって論理的思考や論理的記述、マーケティングやコンサルティングなどの本を買い、通勤時間の往路で1冊、復路で1冊を読む1年を過ごしていると、ある日企画書が変わった瞬間が訪れました。
これまで年間で1,000万円の取引だった専門学校さんから、1,500万円の既存取引プラス新規取引を受注。その帰りの電車で、退職することを伝えたのは今でも覚えています。半年後に、父の選挙が控えていたので。
思えばその先輩に認められたい一心で、来る日も来る日も本を読み、企画書を書いていたのかもしれません。読んだ本は200冊を超えたことはなんとなく覚えているのですが、読んだ本がそのまま企画書になっている感じでしたから、自分の言葉で書けるようになるまで、時間を要しましたけれど。
だから後藤さんの質問に回答すると、今から16年前から17年前かな、言葉を意識するようになったのは。
「コレはどういう意味で使っている?」とたびたび定義を確認する先輩でしたし、いかにも思いつきの言葉を口にすると、「今のオマエには頑張れとしかいえないな」とくる先輩なので、まあ気を抜くことができない。
しかしその先輩が用意した環境のおかげで、特に読む気もなかったビジネス書を読むようになり、1年間で200冊の本を読むようになった。
16年前か17年前に言葉を意識するようになったのは、その環境に飛び込んで、読み続けて書き続けたおかげなんだろうな、と思います。
何ごとも、意図してやり続けた時に、道は開けるものですね。
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