顧客のベッドに忍び込めとか、そんなセリフを言っていたのはゲイリー・ハルバートかジョン・カールトンか覚えておりませんが、ふたりとも同じことを言っていた気もしますし、ジョン・カールトンは本の中でもそう言っていたように思います。
これは言い得て妙だなぁと思うセリフでして、なぜならコピーを書くには「誰」、市場が大切であることを暗示しているように思えるからです。
もちろん、リサーチの上では商品やサービスも大切です。いうなれば
「セールスライティングと一夜を共にしろ」
とか
「セールスレターとピロートークできる間柄になれ」
とか、そんな近い関係性になるまでリサーチをすることは大切ですから。
しかしそれ以上に見込み客、「誰」、「市場」のほうが大切。
なぜなら、「誰」が決まらないと「悩み」がわからない、すなわち、何のためにその商品やサービスの記事を読むのかがわからないからです。
商品やサービスを買いたくて買う人はおらず、何らかの悩みを解決するためにこそ人は商品やサービスを買う。
ここを言葉ではわかったような気になるものの、実際のところ理解している人は少ないと思いますので、特にコピーを生業にしている人は覚えておいて方がいい。
水を買うのだって、喉の乾きや健康に関する悩みを解決するため、カツ丼を食べるのだって、空腹を解消したりストレスを解消したりするため(もちろん、カツ丼を何らかの理由で食べたいというポジティブな理由もあるでしょうが、満腹ならば食べないですよね、一般的には。だから奥底には空腹などの根源的な悩みがある、ということです)。
ドリルが欲しい人は誰もいない。穴がほしいのだ。
なんて言葉を聞いたことがある人はいらっしゃると思いますが、これはまさに、人は特徴ではなくてベネフィットを求めている、ということを示しています。
とくに、感情的な部分。今どういう感情で、それをどういう感情に移行すればうれしいのか。
このあたりを、知っておく必要があります。
これは本やインターネットで調べてもなかなか出てくるものではなく、3ヶ月も6ヶ月もそれを頭に置き、人と会い、体験をし続けた結果、ある日言葉になるもの。
生まれも育ちも異なる人を、しかもエラく長い歴史を持つ人を、瞬時で理解できるはずなんて、ない。
コピーのスキルを魔法のスキルのように、カンタンに圧倒的な結果を早く、なんていうふうに捉えてしまうと、今日の話は理解が難しいかもしれません。
しかし、ぜひ周りを見てほしいのですが、「いい人生を送っているな」と感じる人ほど、急がば回れと言うか、非効率の美学というか、効率の反対を行くようなことをやっています。
人や人の悩みを知るというのは、毎日接して考え続けてこそ、言葉にできるものだと考えています。
ペルソナとして設定を考えている人とベッドを共にし続けているかのように、その人のことを知る。
売れるコピー、選ばれるコピーとそうでないコピーとの違いは、人や悩みにフォーカスしているかどうかだと思いますよ。
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