木坂さんが語るクリエイティビティ。

クリエイティビティ
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「アップルとかが制約をなくし、自由であるという状態になっている。でも、優秀な奴は自分で制約をつくっている。会社は自由という(環境の)方向に行っても、優秀な奴は勝手に自分で制約をつくるってなるから、クリエイティビティが生まれるんじゃないかと思います」

こんな感じだったかな、京料理屋さんでの食べ収め後、木坂さんと城戸さんとの会話で聴き取れたニュアンスです。

クリエイティビティを生み出す会社は制約を設けない、この会社は自由だぜ、というアピールをしているところもあるけれど、優秀な社員は勝手に自らに制約を課すから、クリエイティビティが生まれるんだよね、その文脈は覚えておかないといけないよね、という話なのかな、と僕は認識しました。

「一般的に、クリエイティビティ(クリエイティブだったかも)はなにか特殊な力のように思われているけど、僕はそうは思わない。いや、かつてはそういうものだと考えていた時期もあったけれど、適切な制約下で、あるいは適切な制約を自らつくることで、誰もがクリエイティビティを生み出せるのだと思っています」

確か、「誰もが」と言っていたような、、、わかりやすかったのは、会社名は聴き逃しましたが、、、次の話。

「それなりに従業員がいるのに、その会社の社長は給料を全部自分で決めている。700人だか800人だかいるのに、全部社長が考えて決めている。適当ではないらしい(笑)。

じゃあなんでそんな事をするのかと言ったら、例えばある従業員が成果を出して、それを給料に反映させる。100円上げるのか、そのままなのか、100円下げるのかを考える。

100円下げると、従業員は考える。なるほど、あの成果でこういう結果か。

どう打開するか考える。そこでクリエイティビティが生まれる。

打開しようとしない人もいるけど、適切な制約を与えることで、会社を成長させている。ちゃんと考えている」

意訳になりますけれど、こんな話をしていました。城戸さんもコレにはうなずいていて、ご自身もそうしているのだとか。

「予算が無限ならば、何も生まれない。制約がキツイからこそ、クリエイティビティが生まれる」

聴き取れて、メモを取ったのはここまで。

以下は僕の雑感。

2つ思い出したことがあって、1つはリクルートで広告営業をしていたときのこと。

もう1つは智頭でオンライン資産メディア構築講座後にマサさんと交わした言葉。

僕がリクルートで広告営業を担当していたとき、前年度の受注額が6,000万円か8,000万円、クライアントである学校法人さんたちは少子化で定員割れのところも増えてきており、広告予算は減少という業界環境。

しかし僕に課せられた目標金額は1億円超でして、え、このご時世でどうやって目標達成するんだ?と同僚とともにため息をついていました。

ところが周囲を見回すと、僕よりも遥かに大きな目標金額であるにもかかわらず、達成している先輩たちはいる。

そこで彼らに学び、学校へ取材やインタビューのために訪問し、その学校は誰に何を約束する学校なのかをリサーチし、それをもとに、バスに乗せるべき高校生で一杯にするための提案をつくり、その企画提案を買ってもらっていました。

広告を売るのではなく、高校生募集の担当者として企画を売る。コンセプトを売る、でもいいかもしれません。

目標金額がどんどん高くなるという制約下での、営業によるクリエイティビティの発揮が、リクルートにはあったのだと思います。適切な先輩や上司からのフォローアップという制約とともに。

もう1つ、マサさんと交わした言葉で、「自分自身のやりたいことと周囲から求められていることが一致しない人もいるのでは?」に対し、僕は「自分の経験を顧みず、ないものねだりをする人ならば、一致しない人もいると思います」というような回答をしました。

自分自身という制約下において、またそれを適切に制約だと認識することによってはじめて、僕は周囲から求められていることに気づき、もしくは感じ、もしくは論理的に説明できるようになり、ビジネスなりメディアなりを生み出せるんじゃないかと考えています。

一般的には、僕もそうでしたが、僕たちは何モノにでもなれるし、どんなこともできる、というような空気って日本の中にあると思います。

しかし今の僕はこういう考え方には賛成せず、むしろ不自由な方が、制約があったほうがうまくいく、という考えです。

何モノにもなれないけれど、自分自身になることはできる。

だからこそ、個々のクリエイティビティが発揮されて、それらが世の中に還元されて、世界は豊かになっていくんじゃないかな、と感じた木坂さんのクリエイティビティ話でした。

アリストテレス、卓越性、徳の話と、通じるところがありそうな気がします。

明日はインプットクラスなので、『ニコマコス倫理学』を読めってことですかね。

P.S.
上記ではクリエイティビティを、創造性とか独創性とか、そういう意味で僕は捉えています。

P.P.S.
写真は昨日の京料理屋さんでの一枚。ホントはカラスミだと誤解していた右下の塩雲丹について書こうと思ったのですが、、、6つの料理しか配置できないお皿だからこそ、この作品が生まれるんじゃないかな、と思ったので。

全体を眺めると、物語性を感じるのは、僕だけかな、、、それぞれの食材がわからなくても。

コメント

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