木坂さんのセミナーで、妻の年収が夫の年収の3分の2を超えると離婚率が85%になるというような話がありました。これは島田さんのブログでも書かれていたので、興味があればワイルドサイドを歩こうよを見て欲しいのですが、この話を聞いた時にふと思い出したのが、タイにおける子育てについて。
木を見て森を見た話にならないように配慮したいので、タイというよりも妻の周辺に限定して話をしたいと思います。妻の友だちに会うと、10人中8人がシングルマザーだったりします。未婚の母、ですね。決まって彼女たちはバンコクに働きに出ているので、子どもはどうするかというと彼女たちの実家、つまりおばあちゃんや親族によって育てられることが多いようです。
シングルマザーという時点で当たり前なのですが、旦那さんの家で子どもを育てるってなかなか聞かない。妻の親族の中でもまっとうというかまともというか、裕福な階級に入る親族だけが、旦那さんの家で子どもを育てていました。つまり、僕がこれまで12年間タイを眺めてきた直接的な情報によると、子どもは奥さん側の実家で育てるもの、という認識になります。
妻のおばあちゃんが生きていた頃(中国人っぽい名前だなと思ったら中国人でした。ラオウさんといいます)、ほうきを持って少年少女たちを説教していました。何か粗相をするとほうきが飛んで来る。ハタから見ていたもなかなかにパワフルなほうきの使い方なので、これはいいしつけだな、と思ったものです。
実際、妻の親族たちは結構やんちゃな一族として名が知れていたらしいですが、みな優しくいい男たちです。しつけがよかったのかな、と思います。
しつけはともかく、僕の長男次男は妻と一緒に妻のお母さんが面倒を見てくれています。長男次男にとってのおばあちゃん、ですね。
2年前まで、1年に7日程度の訪タイだった僕にしてみれば、妻のお母さんが面倒を見てくれることはとてもありがたかったですし、これはタイに行った時は恩返しをしないとな、と思ったものです。
しかし実際のところ、僕は子育てという面で恩返しをすることは、できそうにありません。なぜなら、
妻もお義母さんも、僕に子育てをやらせないから、です。
子どもと遊ぶなどは大丈夫なのですが、料理や洗濯、子どものおむつ交換やトイレなどは、やらせてもらったことを思い出せないほど。僕が「これ洗っておけばいい?」と聞いても、「あなたはそんなことやらなくていいから休んでいて」、こんな感じです。
子育て周辺のことは多少手伝えるものの、肝心要の子育てについてはあなたの出番じゃない。こう直接的には言われませんが、妻からもお義母さんからも、こういうメッセージを僕に発していることは伝わってきます。
日本で言われているイクメンとは全く違うな、と。そもそもイクメン自体、僕は苦手。家にいる時に奥さんのサポートをするのは当然ですし、子どもが遊んで〜ときたら遊ぶことも当然。でも、それは仕事を休む理由にはならないと僕は思う。誰が家族を食わせるんだ、という話。この場合、役割分担からすると稼ぐのはご主人の方なんじゃないかな、と。子どもを見ていると思いましたが、彼らの成長にお母さんは必要でもお父さんは必要ではない。だから妻は子どもたちの世話を僕にはやらせないのではないか、と思ったり。
何より、子どもたちは無意識のうちにお母さんを求めますが、お父さんを求めないもの(僕の家だけじゃないかと)。
つまりはそういうことで、奥さん側が子育てをするというのは、その実家によるサポート体制も含めて、無意識レベルでの在り方として当然のことなんだと思います。木坂さんのセミナーで出た言葉に置き換えると、システム1の話。
いろんな考え方があっていいと思いますが、今の日本に必要なのは、こういう話だと思う。どんなに努力したってお父さんはお母さんの役割をすることはできない。無意識レベルで子どもたちはそう行動するからです。核家族で夫婦ともども育児して収入源を断つよりは(育休のシステムを知らないのですが、休んでも給料出るんだとしたら、それは母子家庭や父子家庭のような状況に限定すべきだと僕は思います)、ちゃんと稼いだほうがいい。子育てが一人で大変ならば、実家や妻のお母さん、お手伝いさんを雇うなどした方がいい。
無意識に身を委ねて子育てを自分の領域だとする妻の在り方は、まさに母は強しだな、と思います。そしてそれはとても自然なことなんじゃないか、とも。
自然でありたいと思う。人として、男として。
P.S.
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