値付けが変なお店に行ってみた。

ビート・ザ・コントロール
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島田さんのブログで半年前に書かれたこの記事「値付けが変なお店に行こうよ」を体験してきました。

「予約を入れましたので一緒に行きましょう」という島田さんからの誘いは、エグゼクティブコーチングの時間だったか食いトレ部での活動中だったかは定かではないのですが、誘われたことはそういえばと覚えていました。しかし昨年末に1月27日ですよ、と言われた時はちょっとギョッとしました。

え、トリュフのコースで(そもそもトリュフって何だ?という僕ですよ?)30万円(一人でです)とかブログで書かれていたお店に行くには、まだ身辺整理が整っていなくて、、、

とか思ってビビったわけですが、そうはいっても半年前でないと取れない予約とは何なのかには興味ありましたし、そこに来るお客さんにも興味ありましたし、どんな人が料理をしていてオーナーなのかにも興味がありましたし、日本一高額なお肉屋さんというのなら日本一を知っておこうと思いましたし、島田さんと木坂さんと城戸さんというパーティーメンバーが際立っているというか、まあ視点を変えるとマニア度というか変態度というか、「え、そんなことするんですか?」というあたり強烈に共感できる皆さんなので、ビビったらゴーじゃないですけど、行ってきました。ちなみに、トリュフではありません(予約が2年先まで埋まっているのだとか)。

直前まで島田さんのコーチングセッションを受けていたので、一緒にお店へ。

かつて勤めていたリクルート社のそばだったので、「そうそう、このビルに通っていたんですよ」と話しながらお店の入口に到着。一見さんは予約ができないそうですが、どのみちこの門構えだとお店とは思えないだろうな、という雰囲気でした。

入ると坊主頭のウェイターさんが出迎えてくれて(確か坊主だったような)、席はカウンター8席のみで、カウンターの中にある厨房にはシェフが2人。奥には木坂さんと城戸さんが席についていて歓談中。他のお客さんはと言うと、ドア側に白髪の紳士と淑女、僕の隣りに座っていたたぶん30代後半から40代前半あたり…もしかしたら50代前後かも…の男性女性…たぶん会社を経営しているのかな、会計する男性がカードをウェイターさんに渡したあと、女性が領収書をの指示を秘書っぽくしていたので(とはいえ、僕の耳なので当てになりませんが)。

島田さんと僕が着席すると、ドリンクのオーダー。難聴である僕はその声を聴くことができず、島田さんからフォローしてもらいまして、皆さんと同じお水をオーダー。

このお水をオーダーというのが、個人的にこのパーティーを好む理由でありまして、「周りに合わせることなく、自分が頼みたいものを頼む」ことができるからです。とはいえ、周囲への配慮はありますから、ステーキ屋さんに行ったのにステーキを頼まない、というようなことはしません。お店への敬意がある。時にはワインを開けることもありました。

居心地の良さというのは、この手のお店に行くと「お酒を頼まなければいけないんじゃないか」という周囲の空気を僕は気にする方なのですが、それは気のせいだよね、ということをパーティーの皆さんは教えてくれるからです。

難聴人生で人知れず(と自分で言ったらよろしくないですが)、悩んできた心境ではありましたが、「オノさん、全開で素っ裸で行きましょう!」と背中を押してくれるワケです。話がそれました。

牛肉を生でいただくことからはじまり、トーストと牛のタルタル…っていうんですかね、それをいただきまして、黄金色に光るスープに牛カツ、サラダ、そして牛のステーキ。

牛のステーキを食べながら、木坂さんの動きをチェックすると、「ん??あの木坂さんがステーキを半分しか食べないでナイフとフォークをお皿においている…」と気づきまして、コレは何かあるに違いないと僕も半分程度で止めておきました。

すると木坂さんが、サンドイッチにしてもらえますか?とシェフに告げていたので、「オミヤか!」と僕もそれに続いてサンドイッチに。そういえば隣の女性は、ハンバーグをサンドイッチにしていたな…。事前リサーチしていたら、ブロガーのはあちゅうさんも、この店に連れてきてもらい、サンドイッチを持ち帰ってお母様と食べた、というような記事を書かれていました。コレか!

実際、結構な量のお肉をいただいていたので、食後シェフに「結構なボリュームですが…皆さんサンドイッチにして持ち帰られるのですか?」と聞いてみると、「いえ、木坂さんからそのようにオーダーを受けまして…お肉が普通より多いのです」と上品に静かに笑いながら教えてくださいました。肉社長城戸さんは、サンドイッチにしないでその場で平らげていましたから、もっと多くても良かったかもしれません。

デザートまで食べ終わったあと、島田さんが「どの料理が一番良かったですか?」と質問されたので、僕はコレ言っていいのかな、、、と悩みながらも、

「カレーです」

と破顔一笑で告白。告白をためらった理由はたぶんこのお店は、ステーキがメインのお店だからです。しかもこのカレーは、オマール海老のカレー。牛がいないじゃん!とシェフに失礼かと思ったのですが、オマール海老のカレーは僕のカレー観をひっくり返すほどの美味しさがありました。

エビアレルギーというのもそうなのですが、僕はシーフードが入ったカレーを美味しいと思ったことがありません。せっかくのカレーの香りが、魚介類の匂いでかき消されてしまうからです。ああ、何でカレーはこんなにスパイシーなのに、このシーフードたちはカレーのジャマをするのだろう、、、とずっと思っていましたし、実際に仕方なく食べてみてもやっぱり美味しくない、、、というカレー人生でした。

しかし

何事も経験してみるものだなと思ったのは、このオマール海老のカレーを口に含んだ瞬間。

海老、というよりもあのシーフードの匂いがなく、カレーの香りと海老の香りが調和されており、味わいは濃厚ながらもサラッとしていて口の中でライスとともにほどけて溶ける。

思わず、このライス、カレー専用ですか?とパーティーの皆さんに聞いてしまうほどのライスとカレーのハーモニーでした。

そもそも比べるものではありませんが、サクララウンジのカレー、銀座のバーのカレーという僕のカレー2トップが3トップになった瞬間です。しかも、ビーフではなく、海老。シーフードが好きではない僕が海老を選んだことは、43年間の人生の中で衝撃の経験となりました。

「次に美味しかったのはなんですか?」

と島田さんが聞いてきたので、コレもちょっとモジモジしながら、、、「牛のタルタルをトーストに載せて食べる物があったじゃないですか…あのトースト、サクッとして美味しかったです」と回答。

いや、実際にあのトーストのサクッと感が美味しかったんですけれど、「トーストかよ!」という非難覚悟の告白です。

そうです、お肉は印象に残らなかったんですよね。コレがシェフの狙いであることを願うばかりです。

お会計を済ませ、おみやげのサンドイッチを手にし、コートを着てウェイターとシェフにありがとうございましたとお礼をし、ドアの外で見送るシェフに頭を下げてビルの角を曲がった瞬間、

「僕のあのオマール海老回答は、よろしくなかったですかね?」

と島田さんに質問。ちょっと間を置いてから、大丈夫ですよ、と回答。

「実は、お肉のインパクトは他で際立つものを知ってしまっているので、そうでもなかったんです、、、」

木坂さんがお会計前に予約を入れると1年後とのことで、再び1年後に訪れるわけですが、僕のなかではお肉を前菜に、カレーというメインを食べに行くイメージです。

それほどのインパクトがカレーにはありました。あとあのトースト。

そしてコレも恐縮なのですが、、、食後のコーヒー。専門店から特別に取り寄せているコーヒーであることはおみやげに入っていたドリップコーヒーからわかりましたが、

もしかしたらこのお店は、他の食材を引き立たせるためにお肉を使っているのではないか?

値付けが変なお店に行ってみた、僕の感想です。

P.S.
おみやげのサンドイッチを両親と一緒にいただきました。父が「カラシをつけるとうまいんじゃないか」というのでカラシをつけてみると、絶品。お肉単体よりも、何かと一緒に食べたほうが美味しい。

「ひとりでやるな」と教えてくれているようで、いいひとときになりました。ハーモニーですね。

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