「おばちゃんが、ヴィンテージなんですよ」

ビート・ザ・コントロール
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昨日は、PAPA PAZZO STRONZO PROGRAM・・・通称、クレイジーパパ、もしくはクレパパの東京セッションが開催されまして、会場となった銀座へ。

福岡からやってくるタクさんの到着が21時をすぎるだろうとのことで、島田さんが21時から銀座のバーで席を予約し、開催。

このバーのオーナーは、イタリアには150回以上、ニューヨークには70回以上、そしてバンコクにも70回は行っているという方でして、バーのなかで購入することのできるイタリア製の革製品やアパレル製品は、オーナー自らがデザインの注文をしたり、買い付けたりしたものばかり。

自分が気に入っているものを仕入れ、自分が使いやすいと思うようにポケットを付けてもらうとか注文を出す。

もともとこのバーを知ったのは島田さんのブログから。ちょうど革の長札入れがほしいと考えておりまして、それは札幌にいたときだったのですが、島田さんが書いた記事からこのバーを思い出し、名称や場所を調べて札幌から直行。

財布を購入し、そのまま羽田経由でバンコクに行ったという思い出があります。

その財布は今でも使っているわけですが、オーナーが書く商品紹介にあったとおり、携帯や通帳なども入れることのできるほどマチとスペースがあり、使いやすい。

革は柔らかく、ありがちな爪の引っかき傷など目立たない仕様に。

アントニオのシューズとともに、定期的にクリームを付けて手入れをしているのですが、手入れをするたびに革に艶がよみがえり、豊かな気持ちになれます。革は、いいですね。

ライティングをしている立場からすると、オーナーの書く文章というのは経験を書いているなと感じさせるもので、実感がこもっているもの。

これはさぞ革製品やアパレル製品には情熱を持っているのだろうと思いきや、昨日はそれ以上のパッションを感じさせてもらいました。

以前から購入を考えていたものが2つありまして、一つは革の鞄。そしてもう一つは、濃紺のソリッドタイ。

コスタのところで仕立てた濃紺のヴィンテージものを着るとき、首元のネクタイが悩みどころだったからです。

色合い的にはスーツが濃紺なので、ネクタイも合わせやすいのですが、なんだかフィットしない。やっぱり、モノ同士の品格とか相性とかはある。

それで思い出したように、「ネイビーのソリッドタイを考えているのですが」とオーナーに告げると、待ってましたと言わんばかりのパッションで、僕らを虜にしてくれました。

でてきたのは、PETRONIUSのソリッドタイ。仕立は複数あって、色は大体濃紺。仕立によって濃紺の見え方が変わってくるので、「大体濃紺」と表現しました。

一部聴き間違い、また聴き取れていない箇所もあるのですが、僕が解釈したとおりに記しますね。

PETRONIUSというイタリアのメーカーは90年の歴史がある老舗。ここのネクタイはイセタンとかでも購入できるらしいのですが、オーナーが仕入れてくるものはなんでもモノが違うらしい。

僕が最初手に取ったPETRONIUSもいいものだとは思うのですが、オーナーが取り出してきたモノはより柔らかみがあって、色合いも柔和な感じが、触らずしてもわかるほど。

オーナーが見せてくれた2本の内1本は、よく見るネクタイのように芯地が入っているもの。

そしてもう1本は、芯地のないもの。

オーナーがこれを締めたら他を締めることはできないだったか、これ以上のものはないだったか、そんな感じに情熱いっぱいに目を見開いて話していたのですが、芯地のないもの、これはセッテピエゲというそうで、一枚の生地を折りたたんでいくことでネクタイとして整えていくものだとか。

セッテピエゲは英語でセブンフォールド。つまり、7つ折りですね。

それだけでも手の込んだ、職人技が必要なネクタイなんだな、とは伝わってきましたが、僕が難聴ながらもどうしても聴き取りたくて、島田さんに「確認させてください」と伝えて教えてもらったのはこれ。

「PETRONIUSという90年続く老舗メーカーで、5人のおばちゃんがいる(多分ネクタイをつくる職人)。その中でも1人しか、このセッテピエゲをつくることができない」

これをオーナーは面白い表現で伝えてくれまして、僕が職人によってできるかできないかが決まるこのネクタイは、ヴィンテージみたいなものですね、と言ったところ、

「おばちゃんが、ヴィンテージなんですよ」

と。うーん、シビレた。

一点ものとしての唯一無二の存在。

ものにも、一期一会があると感じた瞬間でした。

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