「オリジナル」という不都合な真実。

コピーライティング
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ダイレクト出版さんのアプレンティスに参加しているとき、自分のレビュー以外に他の人のレビューを聞く機会がありました。たくさん書いて提出した僕の心構えとしては、寺本さんの時間を全て独占するというものだったので、人のものよりも自分のものをレビューしてもらうほうがうれしかったと思われがちですが、実はそうでもなく人のレビューを聞くとエライ参考になったものです。

寺本さんがよくレビューで話されていた内容に、「スワイプファイルを使ってください」というものがありました。スワイプファイル利用の是非はともかく、確かに多くの参加者はスワイプファイルを使ったとしても、ヘッドラインとかオープニング、はたまた価格のプレゼンなど一部しか使わない。売れていないのに「面白そうだ」「自分が好きだから」とそのセールスレターをスワイプファイルとして使ってしまう。または複数のスワイプファイルをつなぎあわせたものになっていたと思います。

ここから見え隠れするのは、ライターのエゴ的なもので、「自分が書きたいように書く」という姿勢。スワイプファイルを使うより、自分で考えたことを書きたい。オリジナルで勝負したい、というもの。う〜ん、私見たっぷりですが。

とはいえ、オリジナルで勝負したいと考えていながら使っているのは何らかのスワイプファイルだったりと、どっちなんだよと思ってしまうこともしばしば。これは、今思えばなんですけどね。

オリジナルかと思いきや、展開や訴求ポイントなどはどっかで見たことあるな、と思えるものばかりで客観的に眺めてみたらオリジナルでもなんでもない。

スワイプファイルを使いましょう、コピーはコネクトです(だったかな)、という考え方からすれば、スワイプファイルをマネすることが売れるコピーには必須ですから、まぁそれはそれでいいんでしょうけど。

スワイプファイルを使ったほうがいいですよ、という側の「利己性」も、同時にみておいたほうがいいんじゃないかと思います。人は、「利他性」のみで動くわけではないですから。

いずれにしても、スワイプファイルを使ってレジを鳴らせるかどうかって読み手との関係性ありきですから、その関係性次第ではレジが鳴ることもあれば鳴らないこともある。読み手の気付きレベルと関係性によりけりなんじゃないかな、と。となるとリサーチして読み手にフィットしたモノを書く必要が生じる。ココでオリジナルなモノを書く必要性が生じるとも言えるんじゃないかと最近は考えています(何をオリジナルと定義するかにもよりますが、ここではいわゆる売れたセールスレターをスワイプファイルとして使わないことをオリジナルとお考えください)。

しかしオリジナルも大事ですよって考え方は、スワイプファイルを推奨する側としてはうれしくない。自分たちのサービスが売れなくなる可能性もはらみますから。それに・・・スワイプファイルを使ってください、という言葉を使えないというのは、教える側の力量が問われます。やるとわかりますが、コレほど大変なものはない。「ココはあんな感じで」と言おうものなら、「あんな感じってなんですか?」となる。スワイプファイルを使えるならば、「スワイプファイル通りなので」という言葉で何とかなる。要は、ラクなんですよね。

そして実は、書き手にしてもオリジナルってしんどい。参考にするスワイプファイルがない中で書き上げていくのって「どうやって書いていいんだ」となる。時間単価を高めるためにもできるだけ早く書きたい。だから普段からスワイプファイルを収集していろんな切り口を蓄えておくのでしょうから。

つまるところ、オリジナルって不都合な真実なんだろうな、と。一見耳障りが良い、オリジナルがダメなんて言えない、アンタッチャブルなもの。でもオリジナルがいいですよとなると、ああ大変だ、となる。

コレはセールスレターに限らず、コア・バリューの発見や在り方の書き出し、ゴール設定やマスタープラン作成でも同じことが言えて、

「あなたのオリジナルを書いてください」

ってかなりしんどい。言葉の響きはいい。でも誰もオリジナルを考えない。実際「スティーブ・ジョブズらスーパーだと言われている人たちだって何らかの模倣ですよね」、なんていう。それは確かにそのとおりだし、僕も「真にオリジナルというのはこの世に存在しないのでは」なんて思う。なぜならそれはすでに「在る」からです。

とは言ったって、いわゆる「広義に」オリジナルというものは在るでしょうし、賢者舎のワイズマン今井先生がいう「アウフヘーベン」という考え方は、広義なオリジナルだと思います。

セールスライティングにしたって自分の人生にしたって、いい結果を生み出すのは大体において、ハタから見たら「よくそんなことできますね」って言うほどの修行僧みたいな選択だったりします。

要は世間一般に迎合しない。コレ、オリジナルと言ってもいいんじゃないかな、と。

常にオリジナルであれ。常に自分自身であれ。

木坂さんが放つメッセージに僕も、腹をくくりつつ在る今日このごろ。

P.S.
僕の場合、スワイプファイルでレジを鳴らせるかどうかは読み手との関係性、状況次第と考えているので、スワイプファイルを使うことも大事だし、オリジナルも大事だという立ち位置です。実際今でも毎日、スワイプファイルを手書きで写経していますし、一方で書くセールスレターはスワイプファイルを使ってないこともある(とはいえ、ロバート・コリアーや木坂さんのセールスレターのように、原理原則をついているものは自ずと活用していますが)。

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