上海ハイアットとカーネーション。ビーコンの原点。

ビート・ザ・コントロール
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昨日のスカイプセッションはミスターアルケミストと。アルケミストの名にふさわしく、真理探究的な意味も込めて海外を歩いてくるというので、それに口が軽くなった僕は旅の思い出を語る。

タイにはじまる3ヶ月の一人旅をなぜしようと考えたかというと、2003年の3月に上海で出合った経験から。それが、上海ハイアットとカーネーション。旅の原点、というよりは僕という器の原点かなぁ、と。

アメリカに友人といったことが唯一の海外経験だった僕は、知人と一緒に上海へ。行きの飛行機で一人旅を勧められたものの、「いや、僕には無理ですよ」と返す。

しかし不思議なもので、帰りの飛行機では、一人旅に行きます、と宣言するくらいで実際に1ヶ月ちょっと後にはたびに出ていたのだから、よほど鮮烈な経験だったんでしょうね。

当時、上海は今ほどは発展しておらず、トイレに入ると個室なのに全面ガラス張りという、よくわからないレストランがあったり、床に紙が散乱していたりとカオスな空間。

今や観光名所でもある外灘・・・上海バンドですね、そのあたりは高層ビルが建ちはじめていたていどで、今のような景色にはなっていなかったと記憶しています。ネオンで埋め尽くされた外灘の景色は、当時はどちらかというと暗い、ちょっと世紀末の荒んだ雰囲気が漂うような感じでした(私見です)。

そんななかでも、グランドかパークか忘れましたが、外灘の傍にあった上海ハイアットはそれは見事な景観を誇っておりまして、

モスグリーンのコートに身を包んだベルボーイたちはさながら宇宙ステーションにいる人間のように近未来的でスタイリッシュ。上海の雑多な雰囲気にビビっていた僕は、東京でも見られないような景色がそこにあることに、ただただ放心するばかりでした。

そんな時に、僕の前に現れたのが、小学生と思われる女の子の4人組か5人組。上海ハイアットの近未来的雰囲気に似つかわしくないような格好をし、何やら僕に差し出す。

見ると、カーネーション。2本のカーネーションをセロハンテープで括りつけて、「10元」という。

一緒にいた先輩が、「この子たちはお金がほしいだけだろう。でも10元は高い。5元を置いて行こうぜ」とアドバイス。そのアドバイスに従って僕は5元を渡そうとすると、

「ダメ、10元」

と女の子はジェスチャーで譲らない。やがて先輩は「置いて行ってしまおう」というので、僕は5元をヒラっと舞わせ、サーッとその場を離れてご飯を食べに。

こんな近未来的な場所でカーネーションを小学生が売っていることに、ちょっと怖くなったんですね。似合わなすぎて現実できでないというか。想像の外を出たというか、そんな感じ。

ご飯を食べた後、通り道なので上海ハイアットへ。するとさっきの女の子たちが座っている様子がうかがえ、僕を見つけると例の子が僕のもとに走ってきました。

すると、「ハイ」と僕にカーネーションを差し出す。また10元と言われるのかなと思いきや、セロハンテープは外されていて、カーネーションは1本に。

ガツン、と来たんですね。なんだよ、お金がほしいだけじゃなくて、そういうふうに売ってこいって言われているんじゃない、って。ある意味、教育の力を体感した出来事でした。

この体験が身体に残っていて、帰りの飛行機で一人旅宣言。誤解を恐れずいうと「発展途上国」に行こうと閃いたから。

自分が知っていることはごくごく小さな器に収まっているに過ぎないと知り、その器を飛び越えた先に広がる世の中、「常識」の外というロマンが、僕の中に芽生えた瞬間でした。

今でも上海に行くたびに、外灘を見たり各地のハイアットを見たりするたびに、上海ハイアットとカーネーションの女の子を思い出します。

今思えば、2003年にもビート・ザ・コントロールしていたんだなぁ。

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