タグラインを書こう(商品づくりのトレーニング)。

このお店にタグラインをつけるとしたら、どんな言葉がいいだろう?

こんな自問自答が、昨晩からアタマのなかではじまっています。

このお店の代名詞的存在である料理は出ず、そこにもっと食べたい感は残ったものの、11品のアタマからオシリまですべて白トリュフと書かれたメニュー、そして箱から取り出された瞬間、スライサーでふんわりとスライスされていく瞬間の香り、さらに、口に入れて鼻腔を通る芳醇な香りにはうっとりしてしまいまして、官能的な香りで媚薬とも例えられる、という言葉に頷いた次第です。

このお店ではコースで出される一品一品に「王道」とか「立体感」という料理名がついており、その横には「王道〜フォアグラ・白トリュフ〜」「立体感〜神果卵・白トリュフ〜」というように、使われる食材が書かれています。

書かれていない食材を聞くと、僕が聴き取れる限り「水と塩です」というのがほとんどで、え、それだけでこんな味わいになるの?という驚きがあります。

自然にいただくとはこういう料理をいうのか、と料理の概念が覆されます。そして、料理を供するお皿もまた、モノによってはどうすればこんなに軽くなるのってくらいに軽い焼き物(たぶん)が出てくるのです。焼き物だけじゃないかもですが。

料理一品一品につけられている「王道」「立体感」、ほかには昨日のメニューだと「ミルク」「シンプル」「じゃがいも畑」「宝石」「抽出」などがありました。

この名称はとてもよくできているな、と感じておりまして、なぜならその料理が何なのかを定義づけているからです。

奇をてらっておらず、シンプル。一つの単語で料理を定義しています。

だから、食べる前にどんな料理なのかは想像はできる。しかし、その想像を上回ったところから供される料理に、このお店のオーナーの経験と目指すミッション、それを料理とデザートで体現するシェフとパティシエの凄みを感じることができます。

食材の知識だけだと、こんな料理にはならない。様々な見聞、経験、目指す方向性が統合されて、アイディアとして料理が生み出される。そして料理に使うものは、素材と水と塩でシンプルに。

徹底した針鼠の概念、MSPを体験することができ、バスに誰を乗せるのかが明確だから、コミュニティが適切に形成されている。

そしてそれはこの白トリュフのコースがほとんど予約でいっぱいであることからもわかります。予約方法は、オーナーと一度会うなどしている人だけですから。

それで、このお店を定義してみよう、と考えたわけです。

料理につけられた定義、「王道」や「立体感」、「宝石」のように、できることならばひとつの単語でシンプルに。

このお店や商品、サービスを定義づける言葉のことを、人によっては「タグライン」と言います。

セールスコピーを書く上では、まず目を引くという意味でキャッチコピー、ヘッドラインは大切ですし、続けて読み込ませる動機となるアイディアは大切です。

しかしセールスコピーを書くためには、商品やサービスがそもそも何なのか、誰に何を約束するものなのかというコンセプト設計がないと、ヘッドラインもアイディアも意味がありません。

単に奇をてらったものになりますからね。

そしてコンセプト設計の時に大切なのはネーミング、ネーミングだけだと定義できない場合はタグラインです。

タグラインは、商品やサービス、店名、会社名に添える一言で、「その商品やサービス、店名、会社名が何を約束するのかを想起させるもの」と考えてみると、わかりやすいのかな。

ビート・ザ・コントロール株式会社なら「オリジナルコピーを打ち破る」とか「自分で自分の人生を決める」とかですね。

「誰に」を含めてもいいですが、このタグラインを読んで「自分のことだ」と感じたら、その人が「誰に」になります。

このタグラインを考えるというのは、コピーを学ぶ上だけではなく、会社をつくるとき、事業部をつくるとき、お店をつくるとき、商品やサービスをつくるとき、人材を採用するときなどなど、最も役立つトレーニングだと僕は考えています。

なぜなら、コピーの場合でいうと、キャッチコピーやヘッドラインを書くだけなら、スワイプファイルを収集して面白そうなアイディアだと感じたら、誰にでもそれっぽいものは一朝一夕でつくることができますが(注:あくまでもそれっぽいものです)、

タグラインはつくることができないからです。

キャッチコピー一本100万円は高いと思いますが、タグライン一本100万円は高くない。

ではこのお店から100万円をいただこうと、店名のタグラインを考えてみたいのですが(笑)、、、見事なもので、店名からしてよくできているのですよ。。。タグラインなくてもいいんじゃないか、ってほどに。

いいトレーニングになると思います。ミッションや会社理念などのコピーを書くとき、商品づくりをするとき、市場と自社、自分との関係性を変化させる、コミュニケーションの参考になれば。

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