タイにプロフェッショナルの仕事を求めてはいけないと思います。
そう僕は感じていましたし、友人にも話していました。
飲食店やマッサージ店、ネイルショップ、銀行でもどこでも、店員さんはスマホをいじり、お客がきても店員同士でおしゃべりのながら接客。
バンコクの入国審査や出国審査でもおなじみのスマホ対応に、不満を抱く人もいるかも知れないけれど、このおおらかさがタイの魅力だと僕は感じていましたし、いまでも同じです。
しかし一方で、この国で仕事を学ぼうとか、仕事を追求して自分を磨こうとか、そういうふうには思えなかった自分がいます。
この暑くておおらかな国に、そんなことを求めるのはどうかと思う。
コレが僕にとってのタイ・スタンダードでした。
ところがやはりプロフェッショナルはいる。
コレなら友人に紹介しても、安心して任せられる。
そんなお店を見つけました。
身嗜みを整える必要から頭に浮かんだこの店
コレまでは自分でバリカンやカミソリを持って刈っていた僕の頭ですが、バリカンが手元にない。
そこで、ならカミソリで剃るか、、、と考えたところ、明日の訪問先にスキンヘッドは印象よろしくなさそう。
そこで普通の丸刈りにするにはどうすればいいだろうと思案したところ、ふと思い出したのは隣のビルにあるらしいBarber shop。
そのビルは日系企業や外資系も入っていて、ビル内にいる人々の外見は清潔で落ち着いていることから、このBarber shopは期待できるのでは、と感じまして行ってきました。
スマホやおしゃべりのながら接客がない!
そもそもこの程度で驚いたらプロフェッショナルに失礼だろう、とは思うものの、コレまで僕が体験してきたバンコクにおける接客は流れ接客が基本だったので、驚かないほうが難しい。
天井高く、ゆったりとした空間からは、緩やかな時間を楽しんでほしいというメッセージが透けて見えるようです。
実際、散髪がはじまると、たかだかバリカンで頭を丸めるだけなのに、刈る場所と順番が決まっているのか、ゆっくりとバリカンを髪の毛にあて、刷毛のようなブラシで刈った髪の毛を払いながら、整えていきます。
シェービングでは蒸しタオルの肌へのあて方と、シェービング後の冷えタオルのあて方が心地よく、眠りから目覚めを彷彿させる気持ちよさを味わわせてもらいました。
緩やかな空気は流れるものの、だらけている感覚は微塵もありません。
タイってどちらかというと、ちゃんと働いていてもだらけている感が伝わってきてしまう、そんな国だと思うんです。
でもこのお店とスタッフからは、緩やかだけれども真摯な姿勢、細やかな姿勢、プロフェッショナルが伝わってきます。
木を見て森を見るのではなく、木をひとつひとつ見る
日系企業がタイに進出する理由を見たことがありまして、そこには「タイの人は手先が細やかだから」というものがありました。
しかしコレまでそういうタイの方に出会ったことがない僕は、いったいどこにそんな細やかな人がいるんだ、と思ったものです。
大雑把こそがタイのいいところだろう、そんな思い込みもあったんだと思います。
この国で子どもたちを育てていいものか、、、そんな悩みもここで暮せば暮らすほど表面に出てきました。
しかし、Black Amberの仕事を知ったことで、世界観を持っている人はいるし、その世界観をお店に反映させている人もいる、そして世界観にふさわしい細やかや仕事をする人もいる、ということが身にしみました。
木を見て森を見るのではなく、木をひとつひとつ見る。
コレを心がけて、プロフェッショナルな人たちを求めて動こう。
そんな学びのあった、体験でした。
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